2019/10/15
2019年10月12日(土)、3月に卒業した放送大学北海道学習センターで、
私の卒研(テーマ:美容室の隠れた効用ー美容室利用による気分の肯定的変化と積極性の向上)を
発表させていただくことになりました。
皆さん、こんにちは。
トータルバランス美容プランナーの小原 木聖です。
子どもの頃から人間って何なんだろう?とモヤッとし続けてきた私は、
日々の気づきを見える化したくて、
小さな一歩を毎日積み重ねているような気がします。
今回の卒研もそのひとつ。
周りの皆様、担当の先生のおかげで形にすることが出来ました。
ちなみに、私はモヤッとしやすい性質ですが優秀な生徒ではありませんので、
周りのお助けがないと何も出来ないタイプだとひしひし感じてもいます(^^;;)
台風の影響で、放送大学副学長の岡田先生がいらっしゃれなくなったので、
急きょ北海道学習センター所長の新田先生の専門であるカント哲学のジレンマのお話に変更となりました。
日々、自分がジレンマだらけなのでモヤッとするんだな、と
自分の発表前の時間に思いがけず「気づき」をいただいてしまいました!
自分という人間の倫理感と
経営者として下す判断、しかもこのスピードが早い時代はその決断スピードがかなり重要だと思います。
しかし、経営者じゃなくても、
本来「生きる」とは大変なことなのではないかとも、ふつふつ思うこの頃ですが(^^;;)
私の発表は、いつもの自分のままでマイペースにお話させていただきました。
それにしても、次の課題が山のように出てくるなと思っていたら、
発表後にいただいた質問がまさに自分のいろいろな課題とどんぴしゃり。
美容室という場の在り方や、
私の実験データの結果が良かった(先行研究より優位性が高かった)ということは
実験場の環境や実験者のカウンセリング力によるものも大きいということ。。。
つまり、ビジネスとして考えると
接客する側の質がおおいに顧客満足度に関わってくるということが数字にあらわれているということですよね。
私は、数字は生ものだと考えているところがあって、
いつも同じとはならないのだと感じています。
よって、サービスを提供する側というひとくくりでみた時に、
同じ数字(データ)となるのかどうか、とても緊張感や危機感が起きることだなと思っています。
それは、実はスキルではなく、意識、人間力の問題が大きいとも。。。
この「人間力」とは何か?
中小企業にはより不利な状況が増えている社会環境のなかで、
ずっと問い続けていかねばならないテーマです。
モヤッとが増えてくるわけですね、本当に(笑)
最近、私は何のために生まれてきて、ここにいるんだろうか?と改めて考えることが多いです。
秋の寂しい空気のせいでしょうか?(笑)
なんだか自分の転機を感じるこの頃、
今までやってきたことがそのまま続くのではなく、
時に今までやってきたことを踏まえたうえでまったく違う形に思えることがあっても、
恐れずに挑戦出来るかどうか、
自分に問いかけているのかもしれません。
わかりやすい例では、「蝶」はさなぎから蝶に変化したからといって本質は別物ではないはすです。
しかし、日々毎日に忙殺されて生きてしまうと、喜ばしい変化が恐れに感じてしまうのかも。
世の中がいろいろなことに変化や改善を求められていると思いますが、
自分の仕事・志事、
経営者としての責任、
いろいろな矛盾を感じながらも挑戦していくしかないのだろうなと、
思わぬ場でいつもの葛藤を深堀りしたような気がしました。
だからこそ、解決案を日々実行していくしかないんですよね(^^)
人生は究極PDCAをまわすこと、なのかな~?
だからこそ、ちょっとした人の心遣いや空の色がキレイなことなど、
些細な一コマを喜べるものなのかもしれませんね。
最後に、私の卒研の概要を記載しておきます。
関係者の皆様、本当にありがとうございました!!
【概要】
美容室の隠れた効用
― 美容室利用による気分の肯定的変化と積極性の向上 ―
筆者は美容業に20年以上従事してきたなかで, 美容室での施術が顧客の身だしなみだけではなく,
心の状態にも良い影響を与えていることを実感していた。
そこで卒業研究では,美容室を利用することで顧客の日頃のストレスや緊張状態が緩和され,
更に対人関係での積極性が向上するのではないかと考え,これについて検証することを目的とした。
第1研究では,著者が運営する美容室の顧客82名を対象に,来店時と退店前にアンケート調査を実施し,
施術による気分と心身の状態に関する変化を分析した。
その結果, その場での気分を測定するTMSの6下位尺度全てにおいて0.1%水準での有意差がみられた。
美容室利用での施術により「緊張」や「抑うつ」など5つのネガティブ気分は有意に下がり,
ポジティブ気分である「活気」は有意に上昇していた。
心身の状態については10項目中8項目に有意な改善が見られた。
その内容から,美容室には「身体の改善」「前向きな気持ちの涵養」「ネガティブな気持ちの緩和」の3つの効用があると考えられた。
美容室では様々な施術が複合して行われており,美容師とのコミュニケーションの効果も加わって身だしなみだけでなく顧客のメンタルヘルスにも貢献しているといえるだろう。
第2研究では,美容室での施術により,実際に対人関係での積極性が向上するか,
またその効果が1週間後にも持続しているかについて検討するために,6名の顧客を対象に追跡調査を行った。
同時に,美容室での施術が体温や脈拍,血圧,頭皮の活性化など生理的な側面にも影響するかどうかについても検討した。
施術前と施術後1週間の日常生活での積極性に関わる行動経験を比較したところ,
美容室での施術は積極性を高めるというより,ネガティブな気持ちや体調を改善する効果の方が大きいものと考えられた。
生理的な変化に関しては,体温は変わらず,脈拍は減少していた。
一方,血圧は拡張期血圧・収縮期血圧ともに上昇しており,足部マッサージに関する先行研究と同様の結果が得られた。
このことから,美容室での施術にはリラックス効果の他に自律神経活動を促進する効果もあることがうかがわれた。
また,頭皮の分析からも頭皮の血行が良くなり毛穴が開き,髪の立毛筋の働きが高まるなどの効果が認められた。
今後の課題としては, 筆者の美容室でのどういう取組みが顧客のメンタルヘルスに効果的であったのかを明らかにするために,
美容室でのメニューの組み合わせによる効果の違いや,他の美容室との施術の比較検討を行う必要がある。
また, 生理的変化については,今回は市販の体温計や血圧計を使用せざるを得なかったが,
今後はより精密な機器を用いて,かつサンプル数を増やして検討することで,結果の再現性を確認する必要がある。
以上の課題が残っているにせよ,今回の研究結果は筆者の経験知を実証的に検証したものであり,
美容室の現場でおおいに役立つものとなった。