2018/01/21
ある猫が書いたとされる本。
―交通事故で母を亡くし、生後6週間にして広い世の中に放りだされる。
1週間ほどの野外生活を経て、人間の家の乗っ取りを決意。
いかにして居心地のいい家に入り込むか、
飼い主を思いのままにしつけるか、
その豊かな経験を生かして本書を執筆。
(カバー序文より)
皆さん、こんにちは。
小原 木聖です。
最近、(ビジネス書ではない)とっても面白かった本に出会いました。
その名も『猫語の教科書』。
ある猫が書いたとされる原稿を翻訳して出版したというストーリーです。
これが、また本当にそうなんじゃないかと思うほど、
話の視点が鋭いのです(^∇^)ノ
各章のタイトルも
「人間の家をのっとる方法」
「上手な話し方」
「猫にとっての正しいマナー」
「別宅を持ってしまったら」
など、んん?と思うもののオンパレード。
もぐりこんだお家でいかに人間をてなづけていったか。
最初は反対していた旦那さん、
飼いたいと思う奥さん。
その過程をこんな風に語っています。
「でも私は急ぎませんでした。
だって、もういつでも彼を好きにできるって、わかってるんですもん。
いつか徹底的に私の奴隷にするためにも、
ここで彼の抵抗力を弱めておこうと心に決めました。
…
そのとき私はあの、声を出さないニャーオをやってみせたのです。
…
結果は私の期待通りでした。
彼ったらトロトロに溶けちゃったの。」
こうやって、人間はにゃんこ様にメロメロになって、
いつしかしもべになっていくのでしょうね(笑)
他にも―
「人間の家を支配するためには、
自分の魅力をどう人間にアピールすべきか、
知っていなくてはなりません。
表情、姿勢、しぐさ、顔や体の動き、全部を使って、
自分の魅力を輝かせるの。」
「猫が家を乗っ取ってくれていっしょに暮してくれるなんて、
人間はなんて運がいいんでしょう。
猫がどんなに人間のためになっているか、
猫ならみんな知っています。
でもそうだからといって、
猫がマナーを守らなくてよいということにはなりません。
このことはちゃんとわきまえてほしいわ。」
なんだか、
一人前のレディになる教育みたいですね(笑)
2軒のお家から可愛がられる事になった場合は、
両者のメンツをたてるなど、
なかなかの処世術も(*´v`)
そして、こんなくだりも。
「人間とくらしているといやでも学ばざるを得ないことですが、
人間はほんの少しのいいところを除くと、
愚かだし、虚栄心は強いし、強情な上に忘れっぽく、
ときにはずるくて不誠実でさえあります。
・・・
でもこういう悪いこと全部にもかかわらず、
人間には愛と呼ばれる、
強くてすばらしいものがあって、
彼らがあなたを愛し、
あなたも彼らを愛するとき、
他のことはいっさいどうでもよくなります。」
最後に・・・。
「・・・
つまり人間全部に共通する特徴は、孤独ということ。
そして、猫とちがって、人は一人でそれに耐えられるだけの強さがないのです。
猫が人間を支配できるのも、
たぶん根底に、
人は孤独の中で猫を必要とするという事実があるからでしょう。」
ワタクシ、
我が家のにゃんちゃんには
一生かなわない気がしてきました。
すっかり、乗っ取られた一人であることは間違いないです、ね(笑)